「家を売っても住み続けたい」は叶う?リースバックと任意売却を組み合わせた最後の切り札とは
「家を売っても住み続けたい」は叶う?
リースバックと任意売却を組み合わせた
最後の切り札とは
金利上昇で返済が苦しくなった今こそ知っておきたい、家を手放さずに済む可能性のある選択肢
「住宅ローンが払えなくなってきた。でも、子どもの学校のこともあるし、今の家から引っ越したくない……」
そんな板挟みの状況で途方に暮れている方は、決して少なくありません。2024年以降、日本銀行が利上げに踏み切り、変動金利型ローンの金利は段階的に上昇を続けています。かつて「0.4%台」だった変動金利が2025年〜2026年にかけて1%前後まで上がり、毎月の返済額が数万円単位で増加した世帯も出てきました。
この記事では、そうした状況にある方に向けて、「任意売却」と「リースバック」を組み合わせることで、家を売却した後もそのまま住み続けられる可能性があるという方法を、メリット・リスク両面からわかりやすく解説します。「まさか自分がこんな状況になるとは」と思っている方も、ぜひ最後までお読みください。きっと、前向きに動くための手がかりが見つかるはずです。
そもそも「リースバック」とは何か
リースバック(Leaseback)とは、自分が所有する不動産を第三者(投資家や不動産会社)に売却し、その後は賃借人(テナント)として同じ物件に住み続けるという仕組みです。「セール・アンド・リースバック」とも呼ばれます。
通常の売却との最大の違いは、「売った後も退去しなくてよい」という点です。売却によってまとまった資金を手にしながら、毎月の家賃を払うことで住み慣れた家に留まれます。
買い手(投資家・不動産会社)に物件を売却する
通常の不動産売却と同じ手続きで所有権が移転します。
買い手と賃貸借契約を結ぶ
売却後、買い手と賃貸借契約を締結。月々の家賃を払いながら居住を続けます。
将来的に買い戻しを目指すことも可能(条件による)
契約内容によっては、経済状況が改善した後に再取得できるケースもあります。
なぜ「任意売却」とリースバックを組み合わせるのか
ここが、この記事の核心です。リースバックは資金調達手段として有用ですが、住宅ローンの返済が困難になっている状況では、通常のリースバックだけでは解決しないケースがほとんどです。
なぜなら、住宅ローンが残っている物件には抵当権が設定されているからです。ローンを滞納している場合、金融機関(債権者)の同意なしに自由に売却することができません。この「債権者の同意を得ながら市場価格に近い金額で売却する」のが、任意売却という手続きです。
任意売却とは?(おさらい)
住宅ローンを滞納し、金融機関との交渉のもとで、競売を避けながら不動産を売却する方法です。競売と異なり、市場価格に近い価格での売却が期待できるため、残債(売却後も残るローン残高)を圧縮しやすく、引っ越し費用の一部を手元に残せる可能性もあります。
| 比較項目 | 競売 | 任意売却 | 任意売却 +リースバック |
|---|---|---|---|
| 売却価格の水準 | 市場の60〜70%程度 | 市場価格に近い水準 | 市場価格に近い水準 |
| 住み続けられるか | ✕ 退去必須 | △ 原則は引越し | ○ 条件次第で可能 |
| プライバシー | 競売情報が公開される | 非公開で進行可能 | 非公開で進行可能 |
| 引越し費用 | 自己負担が原則 | 売却益から捻出できる場合あり | 引越し不要のため不要 |
| 残債の処理 | 競売後も残債が発生 | 債権者と協議・分割払い等 | 債権者と協議・分割払い等 |
上の表からわかるように、任意売却+リースバックの組み合わせは、「住み続けたい」という希望を持ちながらローン問題を解決したい方にとって、選択肢の中でも特にメリットが大きい方法と言えます。
この方法が向いているケース・向いていないケース
こんな方に向いています
- 子どもの学校区を変えたくない、転校させたくない
- 高齢の親と同居しており、引越しが体力的・精神的に困難
- 地域のコミュニティや職場との距離を維持したい
- 数年後に収入が回復する見込みがあり、将来的な買い戻しを検討したい
- 競売の通知が届いたが、まだ時間的余裕がある段階にいる
注意が必要なケース・向いていないケース
- 売却価格がローン残高を大きく下回り、リースバック後の家賃も払えない可能性がある
- 物件の状態や立地から、リースバック事業者が買い手として関心を示さない場合がある
- 競売の開始決定が間近に迫っており、手続きの時間が残り少ない
- 住宅ローン以外にも多額の借金があり、不動産売却だけでは解決しない状況
※ 債務整理や法律的な交渉が必要な場合は、弁護士・司法書士などの専門家へのご相談が必要です。不動産会社は不動産取引の仲介とそれに伴うサポートを行うもので、法律的な交渉の代理は行えません。
リースバックを利用する際の注意点・リスク
「住み続けられる」という点だけに注目してしまうと、後から想定外のトラブルに見舞われることがあります。誠実な専門家であれば、必ずリスクについても丁寧に説明してくれるはずです。以下の点をしっかり理解した上で判断することが重要です。
① 売却価格は市場価格より低くなることが多い
リースバックを前提とした買い取りでは、買い手となる投資家や不動産会社は「賃料収入でコストを回収する」というビジネスモデルをとっています。そのため、通常の売却と比べて売却価格が1〜2割程度低くなるケースが一般的です。残債の額によっては、売却後も多くの債務が残ることがあります。
② 家賃の水準と将来的な契約条件を確認する
売却後に支払う家賃が、現在の住宅ローン返済額よりも高くなってしまうケースがあります。また、賃貸借契約の種類(定期借家契約か普通借家契約か)によって、契約期間終了後に退去を求められるリスクも異なります。「何年住めるのか」「更新できるのか」「買い戻しの条件はあるか」などを、契約前に必ず確認してください。
③ すべての物件・状況でリースバックが成立するわけではない
リースバックの買い手となる投資家は、賃料収入と将来的な転売価値を重視します。立地条件が悪い、建物が老朽化している、売却価格と適正家賃のバランスが取れないなどの理由から、リースバックの条件が折り合わない場合もあります。その場合、通常の任意売却に切り替えて引越しを前提とした解決策を検討することになります。
手続きの大まかな流れ(任意売却+リースバックの場合)
専門の不動産会社に相談・現状ヒアリング
ローン残高、物件の査定価値、家族の状況などを整理。リースバックが現実的かどうかを最初に確認します。
物件査定・リースバック条件の仮確認
売却想定価格と、その後の家賃水準の試算を行います。同時に債権者(金融機関)への状況報告も開始します。
債権者(金融機関)との合意形成
任意売却を成立させるには、抵当権を持つ金融機関の同意が不可欠です。不動産会社が売却価格や配分について債権者と調整を行います。
売買契約・賃貸借契約の締結
買い手との売買契約と同時に、賃貸借契約を締結。家賃の額、契約期間、更新条件などを文書で確認します。
決済・所有権移転 → 賃借人として継続居住
決済完了後、所有権は買い手に移りますが、あなたはそのまま同じ家に住み続けます。
競売の開始決定通知が届いた後でも任意売却が間に合うケースはありますが、競売の入札期日が近づくにつれて、交渉できる時間は急速に失われます。「まだ大丈夫」と思っているうちに手遅れになるケースが後を絶ちません。滞納が始まったら、早期の相談が何より大切です。
「本当に住み続けられるの?」よくある疑問にお答えします
Q. 家族には内緒にしたまま進められますか?
任意売却・リースバックの手続きは基本的に非公開で進めることができます。競売とは異なり、近所への告知や裁判所への公示が行われることはありません。ただし、所有者(名義人)が複数いる場合は全員の同意が必要です。また、同居のご家族への説明は、後々のトラブルを避けるためにも早めに行うことを推奨します。
Q. 売却後に家賃を払えなくなったらどうなりますか?
賃貸借契約に基づき、家主(新所有者)から退去を求められる可能性があります。リースバックは「住み続けられる可能性がある手段」ですが、売却後の家賃支払いが継続できることが大前提です。家賃の水準が無理のない範囲かどうかを、事前にしっかりシミュレーションすることが不可欠です。
Q. 将来、家を買い戻すことはできますか?
買い主との合意があれば、買い戻し条項を契約に盛り込めるケースもあります。ただし、すべての買い主が買い戻しに応じるわけではなく、また買い戻し価格が売却時より高くなることが一般的です。将来的な買い戻しを希望する場合は、最初の段階でその意向を明確に伝えることが重要です。
まとめ:この記事のポイント
- 金利上昇の波を受け、住宅ローンの返済が苦しくなっている世帯が増加しています。
- 「任意売却+リースバック」は、家を売却した後も同じ家に住み続けられる可能性がある、選択肢の一つです。
- 競売と比べると、売却価格・プライバシー・引越し不要の点で大きなメリットがあります。
- 一方で、売却価格が下がる・家賃負担が発生する・すべての物件で成立するわけではないといったリスクも正確に理解する必要があります。
- 債権者の同意が必要な手続きであり、時間との戦いでもあります。「まだ大丈夫」と思っているうちに競売が進んでしまうケースが多いため、早期相談が鍵です。
- 法律的な交渉(債務整理など)が必要な場合は、弁護士・司法書士との連携が必要です。不動産会社は不動産取引の仲介と、それに関連するサポートを担います。
住み慣れた家での生活を守れるかどうかは、今の段階でどう動くかにかかっています。一人で抱え込まず、まず専門家に状況を話してみてください。
手遅れになる前に、まずはご相談ください
「本当に住み続けられるのか」「うちの物件でもリースバックできるのか」——一つひとつ丁寧にお答えします。任意売却の手続きには期限があります。状況が悪化する前に、どうぞお気軽に弊社へお問い合わせください。専門スタッフが現状を伺い、あなたに合った解決の方向性を一緒に考えます。
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